タピオカブームのおかげでキャッサバの生産地は儲かったのか?

タピオカブームのおかげでキャッサバの生産地は儲かったのか?
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突然ですがタピオカは好きですか?

そろそろ下火になると思いきや、まだまだ口がタピオカを欲しているほそかわです。きっとこのままタピオカは日本の国民食になるはずです。カレーのように。

キャッサバって何者?

ところでタピオカは、 『キャッサバ』というイモから作られているって知っていました?

こんなイモ

そして呼び方はこんなにもある。

キャッサバの呼び名の種類

(今回の呼び名はキャッサバで統一します)

そもそもキャッサバって、

貧困地域(南米とかアフリカの方)で食べられているというイメージありませんか…?

なんだか私だけの認識だったらごめんなさい。

それでふと、

世界中でタピオカブームが起きてる 今、貧しい地域の農家の経済が少し潤ったんじゃないか?

って思ったんです。

そこで、今回の記事では貧困地域の人がタピオカブームのおかげで経済が潤ったのか調査したいとおもいます。

ぶっちゃけ

キャッサバ農家の方に『儲かったの?』って聞くのが早いじゃないですか?

でもお金の話ってゲスいので、、、、、

国際協力機構(JICA)
農畜産業振興機構
東京税関

などのまじめな資料の数字を見てキャッサバ農家がタピオカブームの影響で儲かったのか調べてみることにします。

お察しの通り、とても地味な作業でした。

キャッサバは作るのが簡単

「キャッサバ需要が高まったら、キャッサバの買取価格が高騰しそうだから日本もそだてたらいいやん」って普通おもうじゃないですか?。

キャッサバって作るの簡単らしいんです。

キャッサバの育て方

え?ほんまに?これだけ?

というくらいにあっけない作り方。

でも、残念ながらキャッサバは日本では沖縄以外では育たないようなんです。

気温が15度を下回るとダメなよう。

日本はキャッサバを作るの向いていないんだね

その代わり、酸性土壌や枯れ地や痩せ地でも栽培することができるそう。貧困地域でキャッサバが食べられてるイメージがあるのは、他の農作物が育たないような乾燥した土でもキャッサバが育つからだったみたい。

キャッサバ=貧しい地域の人たちが食べていそうというイメージはここからなのか…。

日本タピオカ爆輸入

東京税関さんの資料によれば、日本は ほとんど右肩上がりでとくに2018年は急激にタピオカの輸入量が上がってるんです。

(参考: http://www.customs.go.jp/tokyo/content/toku3101.pdf

東京税関 タピオカの輸入グラフ
資料参考:東京税関 タピオカの輸入

伸び率が異常じゃないですか?

しかも2018年はタピオカ再ブームの火付け役である台湾からの輸入が1位となったのです。(いままで日本が一番輸入していたのはタイ)

これは

「タピオカブームのおかげでキャッサバ農家は儲かったんじゃないか?説」がますます濃厚になってきました。

ならば!キャッサバの生産量が多い国は儲かっているはず!

ということで、次は世界のキャッサバ生産量を調べてみます。

キャッサバ生産量ランキング
出典:FAOSTAT(2016年)

やはり、キャッサバの生産地はアフリカ・南米あたりだな…と再認識

あと意外にもアジア圏がキャッサバの生産を頑張ってることも判明しました。

キャッサバにまつわる勘違い

ここで少し気になる文献をみつけてしまった…

国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganizationFAO)によると、ナイジェリアは2008年のキャッサバ生産量が4460万トンと世界一だが、ナイジェリアでは生産したキャッサバを主に国内で消費している。

キャッサバの輸出が世界一多いのはタイだ。


(c)AFP/Aderogba Obisesan

ん?

キャッサバの輸出が世界一多いのはタイだ。】

(え?生産国1位のナイジェリアが一番輸出してるんじゃないの?)

そうか、勘違いしていた。

生産量が多い国が必ずしも輸出国ナンバー1とは限らないのだ。(他の文献を読んでも、南米アフリカは国内消費してしまうので全く輸出しないとのこと)

キャッサバ生産国1位≠キャッサバ輸出国なのである


ならば、世界最大のキャッサバ輸出国であるタイ1キロ当たりのキャッサバ売価はタピオカブームのおかげで上昇したのだろうか?

ということで、ネットで検索すると、タイのキャッサバ価格の変動が分かる資料がありました。ネットってなんでもあるなぁ。

タイキャッサバ価格
参考資料をもとに筆者作成http://www.alic.go.jp/starch/world/data/kaigai2-(1).pdf

あれ?キャッサバの価格上がってない!!

じゃあ、輸出量が増えてるのか見てみよう!

一キロ当たりの値段が安くても 輸出量増えたら儲かってることになるよね?

資料:「Global Trade Atlas」 を参考に年度ごとのタイのキャッサバ製品の総輸出量月平均輸出量をエクセルで算出してみました。

タイのキャッサバ製品の総輸出量と月平均輸出量

輸出量全然伸びてないがな!!!

2018年頃からすでにタピオカブームが到来していたはずですが、この年は輸出量がマイナスになっていることが伺えます。

(ただ、2019年は月当たりの輸出量増えてるので今後も輸出量が増えれば、タピオカブームの恩恵を受けていると言えそう?)

だめじゃん儲かってないじゃん!


え?なんで、こんなにタピオカブームなのに、キャッサバ農家儲からないの?

どうやら、キャッサバを加工したタピオカでんぷん】の価格は高騰しているみたいなのです。


タピオカでん粉価格は2017年9月に1トン当たり345ドル(3万9675円)だったものが、2018年6月には同500ドル(5万7500円)と大幅に高騰している。


https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001837.html

しかも、価格高騰の理由はタピオカブームではなく、原材料のキャッサバが
2017年末の多雨の影響による生産の落ち込みを受けて、でん粉原料用キャッサバの供給がシビアになったという理由だし、台湾・日本のタピオカブームの影響はどこへ…。

キャッサバを加工してできるタピオカでんぷんの価格は高騰しているけど、キャッサバの価格は変動なし。

なんでだろう?

真相に迫る

ここまでくると、
意地でも 【キャッサバの値段が上がらない理由】を調べたくなる。

そして、おそらくこれが理由だとおもうものに辿り着きました。それが、、、

「キャッサバは異常に用途が多いし、そもそも大量に生産されている農作物だった」

キャッサバは、世界の主要食用作物(1位)小麦、(2位)トウモロコシ、(3位)イネ、(4位)サトウキビ、 (5位)大 豆に次ぐ、世界第 6 位の総収穫面積で、世界の 8 億人以上の食を支える作物であることが判明し、私の知らないところで大量に生産されていたのです。

キャッサバがこんなに生産されていたなんて知っていましたか?

さらに生産量の多いアフリカでは、ほぼキャッサバ生産の全量が人間の食料となっていますし、キャッサバを加工して作られるものは我々の知る黒いタピオカ以外にも、 味の素の原料やシャツをパリッとさせるせんたく糊になったり、とにかくキャッサバは捨てるところがないほど使用用途が多岐にわたるのです。

キャッサバの用途

そして、バイオマス燃料の原料となることもキャッサバが大量に生産される理由となっているそう。

バイオ燃料(バイオねんりょう)とは
生物体(バイオマス)の持つエネルギーを利用したアルコール燃料、その他合成ガスのこと。石油のような枯渇性資源を代替しうる非枯渇性資源として注目されている他、二酸化炭素(CO2)の総排出量が増えないと言われていることから、主に自動車や航空機を動かす石油燃料の代替物として注目されている。


出典:Wikipedia

→面白い話をみつけた

中国が出したトウモロコシ備蓄政策(2008)によって、トウモロコシのバイオマス燃料化を禁止したため、キャッサバをバイオマス燃料の原料にすることになり、中国内のキャッサバ需要が高まったって話も面白い。ちなみに中国は世界で一番キャッサバを輸入しています。

参考:
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001535.html

https://www.jica.go.jp/project/all_asia/005/materials/ku57pq000025s2lv-att/cassava_about.pdf

とはいえ、忘れてはならないのが、輸出量が多いのはアジア地域!!!

キャッサバ生産量第9位のカンボジアでは、キャッサバの生産はされるけど、加工する設備が整っていなくてタイやベトナムにほぼ全量輸出するそう。

しかし、キャッサバ主要生産&輸出国タイがキャッサバの価格決めているという現状!!

カンボジアでキャッサバの生産量が少なくなったとて、カンボジア農家が作ったキャッサバはこれまでと同じような価格でタイやベトナムに買い取られるのです。

そうした理由から、カンボジアのキャッサバ農家はキャッサバより買取価格が高いマンゴーやトウモロコシに転作し始めたそう。

(参考: https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002436.html

キャッサバを加工したものなら、世界で需要があるんだから、カンボジアは自国で生産したキャッサバを自国で加工して世界に輸出したらいいやん!!!

って思いますよね?でもその工場を作るのが大変そう…

なんて、考えて いち早くカンボジアに援助した国がもうすでにいるんです。

それが、「香港」

(参考: https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002298.html

カンボジアのキャッサバ産業に対して3年間で1億5000万ドルの投資を行い、付加価値をつけたキャッサバ関連商品を販売することで利益を得て、さらにキャッサバ農家の収入をUPさせると発表しているのだそう。

くぅぅぅ、香港早いな~~~

こういった動きから、アジアを中心にタピオカでんぷんやキャッサバ需要がこれからも伸びそうだしビジネスチャンスがありそうなことが伺えます。

タピオカブームが直接キャッサバ農家に恩恵を与えられたらいいなぁ。

これから日本ではフェアトレードタピオカなんてものが出てきそうな予感…。

ただ、日本も何もしていないってわけじゃなさそうで、

「 病害虫管理技術の開発と普及 」 を支援 しているというニュースを最近、河野外相のツイートで見かけました。

日本いいことしてるじゃん~~

結論

☆わたしが思っていた貧困地域(アフリカ・南米)はキャッサバをほぼ輸出していない。

☆キャッサバがそもそも生産量が多くてタピオカブームごときで生産量に変動が見受けられなかった。

☆キャッサバめっちゃ万能植物だった!

日本のタピオカブームのおかげでキャッサバの生産地は儲かったのか?

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